2026年の祇園祭に、50歳になって久しぶりに行ってきました。

結論から言うと、子どもの頃には気づけなかった祇園祭の魅力を、改めて知ることができた特別な時間になりました

私は京都出身ですが、結婚を機に他県で暮らすようになりました。

子どもの頃の祇園祭といえば、何といっても夜店です。

宵々々山、宵々山、宵山の3日間は、友達や家族と夜に出かけるのが毎年の楽しみでした。

しかし、子どもが生まれ、年齢を重ねるにつれて、あの人混みを思うと足が遠のいてしまいます

そんな私が再び祇園祭を訪れようと思ったきっかけは、コロナ禍を経て神社や京都の歴史に興味を持つようになったことでした。

「今なら、子どもの頃とは違う目線で祇園祭を楽しめるかもしれない。」

そんな思いで訪れた祇園祭は、懐かしさだけでなく、新しい発見と感動にあふれていました

この記事では、私が実際に歩いた祇園祭のルートや、50代でも無理なく楽しめた回り方、そして夜店だけではない祇園祭の魅力を紹介します。

これから祇園祭へ行こうと思っている方の参考になればうれしいです。

“推し”を見つけよう|私はそれが月鉾だった。

五条駅から歩いて四条通に出た瞬間、目の前に現れたのが月鉾でした。

高く伸びた鉾の先には、美しい金色の月。

祇園祭の月鉾の鉾頭に輝く三日月

その姿は、まるで青空に本物の月が浮かんでいるようで、思わず足を止めてしまいました。

なんて美しいんだろう。

それが、月鉾を数十年ぶりに見た時の率直な感想です。

実は月鉾は、「動く美術館」と呼ばれるほど豪華な装飾で知られる人気の鉾です。

もちろん、祇園祭には月鉾だけではなく、それぞれに歴史や物語を持った山や鉾があります。

だからこそ、「私はこれが好き!」という”推し”を見つけながら歩くのも、祇園祭の楽しみ方の一つです。

月鉾に登ってみた|500円で見えた景色

下から見上げた祇園祭の月鉾

豪華絢爛と言われる月鉾に、どうしても登ってみたいと思っていました。

私が訪れた7月14日の昼間は、混雑もそれほどなく、スムーズに見学することができました。

まずは会所(山鉾のすぐ横にある受付)で搭乗券(500円)を購入します。

会所の中には、美しい装飾品や懸装品(けそうひん)が展示されており、それだけでも見応えがあります。

展示を見終えると、ロープにつかまりながら木の橋を渡って、いよいよ月鉾へ。

「わぁ、高い。」

それが最初の感想でした。

地上から見上げていた月鉾を、今度は中から見下ろしている。

それだけで少し特別な気持ちになります。

内部には、美しい刺繍が施された織物や天井を彩る装飾があり、一つひとつ丁寧に見て回りました。

何百年も受け継がれてきたとは思えないほど色鮮やかで、美しいまま残されていることにも驚かされます

そして何より感動したのは、その美しさだけではありません。

これほど貴重な装飾を大切に保存し、毎年組み立て、実際に巡行させている。

その努力を思うと、胸が熱くなりました。

私が感動したのは、豪華な月鉾だけではなく、それを何百年も守り続けてきた人たちの思いでした

「素晴らしい。」

本当に、その一言しか出てきませんでした。

現代では、これほど手間と技術をかけたものを新たにつくることは簡単ではありません。

だからこそ、受け継がれてきたものを実際に目の前で見ることができたことに、大きな価値を感じました。

最後に月鉾のちまきを購入し、名残惜しい気持ちで次の山鉾へ向かいました。

“推し”を見つけよう|鉾を楽しむ6つのポイント

どの鉾も楽しみ方は基本的には同じです。

ぜひ、次のポイントに注目しながら巡ってみてください。

楽しみ方私のおすすめポイント
ご利益を知るどんな願いが込められた山鉾なのかを知ると、見方が変わります。
歴史を知る由来や逸話を読むと、一つひとつに物語があることが分かります。
鉾に乗る外から見るだけでは分からない豪華な装飾を間近で見られます。
装飾を眺める懸装品や鉾頭など、細かな美しさにも注目してみてください。
ちまきを買うご利益だけでなく、山鉾ごとにデザインが違うのも魅力です。
手ぬぐい・記念品「推し」の山鉾の記念品を買うと、旅の思い出になります。

鉾に登る前に知っておきたいこと

私は今回、月鉾に登ることができました。

とても貴重な体験でしたが、鉾によって搭乗方法やルールが異なります。

これから登ってみたい方のために、知っておくと役立つポイントをまとめます。

鉾への搭乗方法や料金は、それぞれ異なります。

例えば、長刀鉾は女性は鉾の上まで登ることができず、会所2階までの見学となっています。

一方、私が登った2026年の月鉾は、搭乗券(500円)を購入することで見学することができました。

また、搭乗できる期間や料金、見学方法は山鉾ごとに異なり、毎年変更される場合もあります。気になる山鉾があれば、会所や案内で確認してから向かうのがおすすめです。

また、搭乗できる期間や料金、見学方法は山鉾ごとに異なり、毎年変更される場合もあります。気になる山鉾があれば、会所や案内で確認してから向かうのがおすすめです。

登る時間帯によって楽しみ方が変わります

私は昼間に登ったので、比較的ゆっくり見学することができました。

一方、夜は提灯に灯りがともり、祇園囃子が響く中で見学できる山鉾もあります。

じっくり装飾を見たい方は昼、祇園祭ならではの雰囲気を味わいたい方は夜がおすすめです。

私は今回、昼間に訪れたことで、子どもの頃には気づかなかった祇園祭の魅力を知ることができました。

一方で、夜には提灯に灯りがともり、祇園囃子が町中に響き渡ります。

昼とはまた違った幻想的な雰囲気が広がるので、時間に余裕があれば、昼と夜、それぞれの祇園祭を楽しんでみてください。

いざ八坂神社へ|神輿の神々しさに心を奪われる

祇園祭期間中の八坂神社西楼門

山鉾巡りを楽しんだ後、私は八坂神社へ向かいました。

祇園祭へ行くなら、ぜひ最後は八坂神社まで足を運んでほしいと思います。

境内へ入ると、提灯の向こうに三基の神輿が静かに並んでいました。

その姿を見た瞬間、思わず足が止まります。

八坂神社に安置された祇園祭の神輿

「神々しい。」

それ以外の言葉が見つかりませんでした。

子どもの頃は、お祭りとして楽しんでいた祇園祭。

今回は少し歴史を調べてから歩いたことで、これまでとは違った景色が見えてきました。

山鉾や神輿には、それぞれ大切な役割があります。

祇園祭が、疫病の流行を鎮め、人々の無病息災を祈る祭りだということを改めて意識すると、目の前の神輿の見え方が変わりました。

その意味を意識しながら神輿を見ていると、豪華な装飾だけではなく、そこに込められた人々の祈りまで感じられるような気がしました。

この三基の神輿が、本番では多くの人の力と願いによって町を巡る。

そう思うと、子どもの頃に聞いた祇園囃子や、提灯に灯るあたたかな明かりが自然と思い出されました。

あの頃は、ただ「楽しいお祭り」だった祇園祭。

でも今は、その華やかな景色の裏で、何百年もの間、大切に受け継ぎ、支え続けてきた人たちがいることに心を動かされます。

さらに、祭りを未来へつないでいこうと奮闘する若い世代の姿にも触れ、その思いは私の中でさらに大きなものになりました。

豪華な山鉾や神輿だけではなく、それを守り、未来へ受け継ごうとする人たちの思い。

それこそが、今回の祇園祭で私が最も感動したことでした。

エピローグ|祇園祭で感じた京都

祇園祭の函谷鉾の風景

京都らしいなぁと思った、何気ない会話

山鉾を散策しながら歩いていると、近くでこんな会話が聞こえてきました。

「綾小路から西洞院入れんから、仏光寺から回るわ。」

その瞬間、思わず笑ってしまいました。

道の名前ばかりが飛び交う会話。

しかも、京都弁のイントネーションがなんとも心地いい。

「あぁ、京都に来たなぁ。」

そんな気持ちになりました。

京都では当たり前の会話なのかもしれませんが、今の私にはとても新鮮で、思わず耳を傾けてしまいました。

祇園祭は、山鉾や神輿だけではありません。

町を歩いているだけで、京都らしい空気を感じられる。

そんな何気ない時間も、今回の旅の思い出の一つになりました。

帰り道、四条大橋で

八坂神社を後にして、四条大橋をゆっくり歩きました。

昼間の暑さは残っていましたが、不思議と心は軽くなっていました。

50歳になった今、改めて歩いてみると、祇園祭は私の知っているお祭りとは少し違って見えました。

豪華な山鉾。

神々しい神輿。

そして、その景色を何百年も守り、未来へ受け継いできた人たち。

そのすべてに触れた一日でした。

四条大橋を渡りながら、ふと心に浮かんだ言葉があります。

「祓われたなぁ。」

うまく説明はできません。

でも、きっとこれが祇園祭の持つ力なのだと思います。

50歳になった今だからこそ、出会えた祇園祭でした。

私がおすすめする祇園祭ルート

私は昼間にゆっくり歩きながら巡りました。

人混みを避けながら楽しめたので、初めて祇園祭へ行く方や、50代以上の方にもおすすめのルートです。

1
地下鉄五条駅からスタート

地下鉄五条駅2番出口を出て、堀川通方面へ向かいます。

新町通を右(北)へ歩くと、芦刈山や船鉾が見えてきます。

2
船鉾から四条通へ

歩いているとひときわ目を引くのが船鉾です。

大きな車輪、豪華な彫刻、見上げるほどに高い鉾。

「祇園祭が始まった!」という気持ちになった瞬間です。

祇園祭の船鉾を下から見上げた様子

船鉾を楽しんだら、そのまま四条通へ向かいます。

四条通に出ると、正面に月鉾が見えてきます

この瞬間の景色は、ぜひ楽しんでください。

3
月鉾(ぜひ登ってみてください)

私の一番のおすすめです。

時間があれば、ぜひ鉾に登ってみてください。

外から眺めるだけでは分からない美しさに出会えます。

4
函谷鉾・長刀鉾を楽しむ

四条通を東へ歩くと、函谷鉾や長刀鉾など見どころが続きます。

それぞれに歴史や装飾が異なるので、自分だけの”推し”を探してみてください。

長刀鉾は人気が高く、昼間でも長蛇の列でした。
ちまきが欲しい方は、まず長刀鉾から立ち寄るのがおすすめです。

5
甘味処で休憩

四条通周辺には喫茶店や甘味処がたくさんあります。

夏の京都は本当に暑いので、無理をせず、こまめに休憩を取りながら歩くのがおすすめです。

6
御旅所をチェック

寺町商店街入口すぐ南向かいには、八坂神社の御旅所があります。

私が訪れたときは、神輿はまだ八坂神社にありました。

巡行日には、この場所がまた違った雰囲気になります。

7
高島屋でお土産を購入

休憩を兼ねて高島屋へ立ち寄るのもおすすめです。

京都らしいお土産や和菓子も充実しています。

8
八坂神社でゴール

四条大橋を渡ると、正面に八坂神社が見えてきます。

神輿を見学し、最後はゆっくり参拝して、一日の締めくくりにしましょう。

休憩やお土産探しは、その日の混雑や体調に合わせて自由に組み合わせてくださいね。

2026年祇園祭(前祭)、私の戦利品

2026年祇園祭(前祭)で購入した戦利品(ちまき・手ぬぐい・和菓子)

祇園祭を歩いていると、

「これも欲しい。」
「あれも素敵。」

と、つい足を止めてしまいます。

山鉾ごとにちまきや手ぬぐいなどの授与品があり、それぞれデザインやご利益もさまざまです。

私も「今年の思い出を持ち帰ろう」と思い、いくつか購入してきました。

最後に、今回の戦利品を紹介します。

月鉾のちまき

2026年祇園祭 前祭 月鉾のちまき

今年一年の無病息災を願って購入しました。

山鉾ごとにデザインやご利益が異なるので、「どれにしようかな」と選ぶ時間も祇園祭の楽しみの一つです。

2026年(令和8年)山鉾巡行順入り手ぬぐい

2026年祇園祭 山鉾巡行順がデザインされた手ぬぐい

「祇園祭史上初めて」と聞いていて、狙っていました。

2026年(令和8年)の山鉾巡行順がデザインされた記念の手ぬぐいです。

私は郭巨山の会所で購入しました。

ネットでも購入できるので、これから毎年集めていけたらいいなと思っています。

【商品名】

画像リンク:楽天市場

三條若狭屋「ちご餅」・仙太郎のちまき

2026年祇園祭で購入した三條若狭屋のちご餅と仙太郎のちまき

祇園祭の季節になると食べたくなるのが、この二つの和菓子です。

京都高島屋で購入しました。

三條若狭屋のちご餅は、やわらかなお餅と上品な甘さが魅力で、毎年楽しみにしているお菓子の一つです。

そして、仙太郎のちまきは、笹の香りと素朴な味わいが夏の京都を感じさせてくれます。

山鉾巡りを楽しんだあとに味わうと、祇園祭の思い出まで一緒によみがえるようでした。

京都へ行かれた際は、ぜひ味わってみてください。

参拝で便利だった物

祇園祭の期間中の京都は、とても暑くなります。

私が訪れた日も、歩いているだけで汗が止まらないほどでした。

昼間に山鉾巡りを楽しむなら、暑さ対策は必須です。

特に役立ったものを紹介します。

ハンディファン

今年購入したハンディファンは、本当に買って良かったアイテムでした。

軽くて持ち歩きやすく、山鉾巡りの間もずっと活躍してくれました。

日傘

強い日差しを避けるために、日傘があると体力の消耗をかなり抑えられます。

帽子

人混みでは日傘を差しにくい場面もあるので、長時間歩く方は帽子もあると安心です。

飲み物

こまめな水分補給を忘れずに。

コンビニや自動販売機はありますが、混雑する時間帯もあるので、あらかじめ用意しておくのがおすすめです。

まとめ

京都・祇園祭で購入した月鉾の厄除ちまきを手に持った様子

子どもの頃の私にとって、祇園祭は夜店を楽しむお祭りでした。

でも50歳になった今、昼間にゆっくり歩いてみることで、山鉾や神輿の美しさだけでなく、それを何百年も守り、受け継いできた人たちの思いにも触れることができました。

祇園祭は、山鉾や神輿を眺めるだけでも十分に楽しめます。

でも、少し歴史に触れたり、鉾に登ってみたり、自分だけの「推し」の山鉾を見つけたりすることで、その魅力は何倍にも広がります。

山鉾や神輿を眺めるだけでなく、町を歩き、人の声に耳を傾け、京都の空気を感じながら過ごす時間も、きっと素敵な思い出になるはずです。

それが、私が50歳になって出会えた「大人の祇園祭」でした。

祈りが受け継がれてきた京都の夏を、ぜひ感じてみてください。