京都には「三弘法(さんこうぼう)」と呼ばれる、弘法大師・空海ゆかりの三つのお寺があります。
東寺・神光院・仁和寺――それぞれに違った魅力があり、静かに心を整える時間を過ごせる場所です。
もともとは信仰の巡礼として親しまれてきた三弘法ですが、観光として訪れても、そのスケール感や人との出会い、静かな空気に癒やされます。
私が三弘法を巡ったのは、手術を控えていたとき。
願いを込めて訪れた旅は、思いがけず人の温かさや新しい発見にも出会える時間になりました。
この記事では、三弘法の見どころや巡り方、モデルルート、そして巡るときに便利なホテルもあわせてご紹介します。
信仰にこだわらず、自分らしい気持ちで巡ってみませんか?
京都・三弘法とは?旅のはじまりに

東寺・神光院・仁和寺を参るコース(順番はどこからでも良く、公共交通機関併用で楽に回れる)
弘法大師(空海)ゆかりの京都の3つのお寺を巡るミニお遍路で、四国と西国の本格的なお遍路の前に立ち寄る方も多いようです。
三寺を参れば完成する御朱印帳や三つで一つになる木札のキーホールダーが作れたり、集めるのが楽しいグッズもあります。
三寺をお参りして、楽しく一年の幸せを願いましょう。
- 東寺(とうじ):京都駅近く。大日如来を祀る講堂など空海の世界観を体感できる
- 神光院(じんこういん):北区の住宅街にある静かなお寺。きゅうり封じで有名
- 仁和寺(にんなじ):金閣寺近く。一願不動尊や御室桜など見どころが多い
京都三弘法参りの楽しみ方
三弘法巡りには、各お寺でいただける記念品や専用アイテムがあります。

それぞれ、とっても可愛く素敵ですよ。
御朱印帳
三弘法参り専用の御朱印帳があり、三つのお寺の御朱印をいただくと1冊が完成します。
お遍路参りにちなみ、それぞれのお寺にゆかりのデザインになっています。
木のお札
各お寺で授与される木のお札を、専用のキーホルダーケースにまとめて入れることができます。
ケースには、満願のしるしとして入れる満願書も収められます。
お守り
お守りのデザインはお寺ごとに異なり、個性があります。
・ 神光院:納札箱
・ 東寺:菅笠
・ 仁和寺:金剛杖
おまいり手帳
神光院で購入できる「おまいり手帳」では、参拝回数に応じて授与品(非売品)がいただけます。
・ 5回 … 修行大師金札
・ 10回 … 五色線守り
・ 30回 … 三弘法高僧の直筆色紙(台紙セット)

観光目的で訪れる方も、こうした記念品を集めながら巡ると、より思い出深い旅になりますね。
🔗東寺の写経体験や三弘法のお参りをするなら、静かに気持ちを整えられる「塗香(ずこう)」もおすすめです。
実際に使って感じたことや、どこで買えるかもまとめています。
東寺|空海の世界観を体感できるスケール感

東寺の仏像は素晴らしいです!
イケメンで有名な帝釈天半跏像もおられますよ。

慶賀門から入るのがおすすめ
京都駅から近くアクセスも良好。北大門から入ると五重塔には近いですが、受付まで遠回りになります。
講堂・金堂・五重塔をめぐって
- 講堂:空海の思想を象徴する大日如来
- 金堂:薬師如来を祀る
- 五重塔:内部公開は時期限定

東寺の五重塔は京都のシンボルです。
写経や御朱印体験も
- 食堂で写経・御朱印が可能
- 時間があれば観智院へ。宮本武蔵の襖絵(かなり薄め)や茶室、庭園で静かな時間を過ごせます
神光院|静かな空気と人のあたたかさにふれる

三寺でいちばん静かな小さなお寺
北に位置する住宅街の中にあり、訪れたときは人も少なく「本当にここで合ってる?」と思うほど。
7月の「きゅうり封じ」が有名です。
御朱印は庫裏で。ちょっとドキドキ

最初、ほんまにここで合ってる…?って数分インターホンを押せずウロウロしてました(笑)
表のインターホンを押すのに勇気が必要でしたが、住職さんが優しく対応してくださり、その場でさらさらと御朱印を書きながらお話してくれました。
三弘法は歩いて巡ると聞き、さすが…!と感動。
心がほぐれる時間
大きな寺では専属の方が多いですが、住職さん直筆の御朱印は特別感がありました。
最初の不安が嘘のように、心がじんわり温まる体験に。
仁和寺|願いを込めて、心静かに歩くお寺

金閣寺近く、ゆるやかな参道
バスや車で立命館大学を通って奥へ。
仁王門をくぐると、金堂までなだらかな坂と階段が続きます。
五重塔など美しい建物を眺めながらの散策が楽しめます。
一願(水掛)不動尊で祈る
手術の成功を祈って訪問。
長〜い持ち手のひしゃくが置いていました。

ひしゃくと言えば手水やと思って自分の手にかけて拝んでいたのですが…(笑)
手に水をかけていた私に、ガイドの学生さんが「不動明王にかける」と教えてくれました。
おかげで正しくお参りでき、感謝の気持ちでいっぱいに。
金堂で手を合わせ、御朱印を受け取る
最後に金堂でお参りし、最初にお願いしていた御朱印をいただきました。
ひとつひとつが丁寧で思い出深い時間に。
🔗神光院・仁和寺の周辺には、植物園や上賀茂神社、落ち着いたカフェなどが点在する北山エリアがあります。
静かな京都を楽しみたい方は、以下の北山観光モデルルートもぜひ参考にしてみてくださいね。
🚋 三弘法めぐり ざっくりアクセス案内
徒歩と公共交通機関でも巡れますが、移動時間を短くしたい場合はタクシーの利用がおすすめです。
東寺
- 地下鉄「京都駅」またはJR「京都駅」八条口から徒歩約15分
- 近鉄「東寺駅」から徒歩約10分
- → 東寺公式アクセス案内
神光院
- 地下鉄「北大路駅」から市バスで約15分、「神光院前」下車すぐ
仁和寺
- 地下鉄「今出川」駅から市バスで約30分、「御室」下車すぐ
- → 仁和寺公式アクセス案内
🗺 三弘法めぐりモデルルート(1泊2日コース)

日帰りもできるけど、1泊すると京都の良さがじわ〜っと染みますよ。
1日目:神光院と仁和寺
- 午前:神光院
静かな住宅街に佇むお寺。庫裏で御朱印をいただき、住職さんとの温かいやりとりを楽しむ(約30〜40分)
※京都駅からはバスまたは地下鉄+バスで約40〜50分 - 昼:北山・西陣エリアでランチ
北山のカフェ、西陣の町家レストランなどで休憩 - 午後:仁和寺
仁王門・金堂・五重塔などを散策(約1時間)
一願不動尊でお参りし、御朱印をいただく(+20〜30分) - 夜:北山・市内中心部のホテルに宿泊
→ ザ・プリンス京都宝ヶ池、シャンブルドット ルブランなどがおすすめ(このあとのホテル紹介で詳しくお伝えしますね。)
2日目:東寺と京都観光
- 午前:東寺
慶賀門から入り、講堂・金堂・五重塔を見学(約1時間〜1時間半)
写経や御朱印体験をする場合は+30分〜1時間 - 午後:京都市内観光
京都駅周辺でランチ後、鉄道博物館、東本願寺、京都タワーなどを楽しむ
買い物やカフェでゆっくり過ごしてから帰路へ
参考リンク(1日コース)
日帰りで巡る場合は、こちらのルートを参考にしてください。
→ 三弘法めぐりモデルルート(1日コース)
🏨 三弘法めぐりにおすすめのホテル3選

心を整える旅なら「シャンブルドット ルブラン」
メリット
- オーナー夫妻が営む小さなオーベルジュ。温かいおもてなしと手作り料理が好評
- 仁和寺まで徒歩約10分、金閣寺や嵐山観光の中間地点に位置
- 静かな環境で、観光後にゆったりと心を落ち着けられる
チェックしておきたいこと
- 京都駅からは離れているため、大きな荷物がある場合はタクシー利用がおすすめ
静かに過ごすなら「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」
メリット
- 北山の自然に囲まれた、静かで落ち着いた立地
- 神光院へアクセスしやすく、三弘法めぐりのスタートにも◎
- 広めの客室で、観光後ものんびりとリラックスできる
チェックしておきたいこと
- 東寺へ向かうには、京都市営地下鉄「国際会館」駅から「京都駅」まで一本でアクセス可能。
- ただし、神光院や仁和寺へは市バスへの乗り換えが必要になるため、時間にゆとりを持って行動するのがおすすめです。
アクセス重視なら「ホテルグランヴィア京都」
メリット
- 京都駅直結で三弘法巡りの起点に最適
- 東寺は徒歩圏内、他寺へもバス・地下鉄で移動しやすい
- 駅ビル内の飲食店やショップが充実
チェックしておきたいこと
- 駅構内のため、静けさより利便性重視の方向け
📝 まとめ|心に静かな風が通る、三弘法の旅

三弘法――東寺・神光院・仁和寺。
それぞれのお寺には、景色や建物だけではなく、その場でしか感じられない空気があります。
東寺で感じた歴史の重み、
神光院で出会った人のやさしさ、
仁和寺で祈ったひとつの願い。
どれも旅の途中でそっと心に残り、今もふと思い出します。
信仰の深さは人それぞれ。
巡り方も、順番も、交通手段も、すべて自由です。
大切なのは、その時の自分の気持ちと向き合いながら歩くこと。
少し疲れたとき、迷っているとき、
静かに心を整えたいとき――
三弘法の旅が、あなたの背中をそっと押してくれるかもしれません。